「…アルーシャ王国…確か、古代に滅んだ王国と聞いています…フレア様、一応私の後ろに来てもらえますか?」

緊張したその声が、この場の異常さを物語っていた。

「ロイズ?え?どうして?」

フレアは言う通りに、ロイズの背後に回るとたずねた。

「…そのタツノオトシゴは、呪いがかけられています…元は人間でしょう…魂が封じられたのだとしたら、やっかいな事情があると思われますので…」

ロイズはフレアをしっかりと、かばうように立つと説明した。

「ほ〜そこの少年、良く知っておるの〜?賢い賢い…説明がはぶけたわい…じょうちゃん、その少年が言う通り、わしらを簡単に信じちゃいかんよ〜?危険な存在かもしれんじゃろ〜?」

ほっほっほ…とクメカは笑った。

「…もしかして、あなたは海の長老、クメカ様でしょうか?」

「ほっほっほ…本当に物知りじゃの〜少年…そうじゃよ〜以後よろしくの〜?今は陛下の客人として、この宮殿に滞在しているだけじゃよ〜少年…」

「…」