「え?」

フレアは、ジッと目を凝らしてクメカの手を見ると、そこには透明な体をした、小さな…フレアの指の上に乗りそうなぐらいの、タツノオトシゴが浮かんでいた。

「…かわいい〜」

フレアはため息まじりに、タツノオトシゴを見つめた。

「これは姫、お会い出来て光栄です…数日前からお会いしていたのですが、なにぶんこの容器…結界でも張っているかのごとく、声が遮断されるらしく、呼べど叫べど誰にも気づいてもらえず、あきらめている所でした…」

タツノオトシゴは礼儀正しく頭を下げると、フレアに事情を説明した。

「あらためまして、私、アルーシャ王国・護衛騎士の、ラギと申します…」

「わたしは、フレイヤースおうこく・おうじょのフレアよ、よろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします、姫…」

「うん、ラギはどうして、タツノオトシゴのかっこうをしているの?それに、アルーシャおうこくって、はじめてきく名まえだわ〜」

「それは…」

ラギが説明に困っていると、全く別の声が会話に加わってきた。