その体は、大人が乗っても大丈夫なぐらいの大きさで、礼儀正しく両手を合わせると頭を下げた。

「こ、これは、お初目になります、クメカ殿…お会い出来て光栄です!海の長老にお会い出来るとは、夢のようです…というかルド!お知り合いだったんですか?!」

フレイルはウワサに名高い海の長老に会う事が出来て、舞い上がったままルドにたずねた。

「はい、言ってませんでしたっけ〜?」

「初耳だな…」

陛下の左隣に座っているイースが、ボソリと呟いた。

冷ややかなサファイアブルーの瞳が、ルドとクメカをにらんでいる…

さっきからつづいている、ゆるい会話に切れる寸前のようだ。

「…で、その海の長老が、わざわざ旅を中断してまで、こいつに話しておきたい事とは、一体なんなんだ?」

イースは海の長老とて、いっさい態度を変える事なくストレートにたずねた。

腕と足を組み、ふそん極まりない態度であったが、クメカは怒る様子もなくイースを見ると言った。

「ほっほっほ〜短気な美人さんじゃの〜」

「ほっとけ…急をようする内容じゃないのか?」