「目が合った異性を誘惑して、とりこにする能力だ。魅了した異性を操ることができ、魅了されなかった異性も体の動きを封じることができる」



それから五回くらい聞き直して、私でも分かる単語に言い換えたりしてもらいながら説明してもらって、ようやく理解できた。


テンプテーション、誘惑・魅了か。
千明ならすぐに操られそうな能力だと思いながらも、洗脳に近い力を持ったリンレイをやっぱり恐ろしく感じた。


目が合うだけで相手を誘惑して操ることができて、もしリンレイの魅力になびかなかった男の人も体の自由が奪われる。

それでブレットは目を閉じてたんだ。


戦闘中に目を開けられないって、かなり不利だよね。

だから、男である限り勝てないって言ったんだ。


死刑囚リンレイ。
彼女のこと何も知らないけど、いきなり戦いを挑んできた、仲間。

危険人物に危険な能力があるって、最悪だ。



「あの人って、いつもあんなことしてるの?
犯罪者なのに、なんで野放しになってるの?」



もう、分からない。
リンレイが何を考えてるのかはもとより、死刑囚のリンレイを野放しにしている政府や研究所も。

分からないよ。