適当に入った小さな食堂で、英語のメニューを見て、ビーフシチュー......らしきものを頼む。

郷土料理にも挑戦してみたいけど、今日は着いたばかりだから無難なものにしておく。


ケニア料理って食べたことないから、最初からとんでもなく口に合わないものが出てきたら、もうそれだけで心が折れそう。

それに飛行機にずっと乗ってて疲れもあるから、食べ慣れないものは避けたい。


お昼時でも夕飯時でもない中途半端な時間で、混んでいなかったから、すぐに注文したものは出てきた。


日本で食べるのとは少し違うけど、うん、美味しい。

白い蒸しパンみたいなものも頼んだ覚えがないのに一緒についてきたので、食べてみると微妙にとうもろこしの味がする。

これはなんだろう?



「ここ空いてる?」


「はい、どうぞ」



一人で食事をしていると、英語で声をかけられたので、下を向いたまま返事をする。

わざわざ隣に座らなくても、空いてる席たくさんあるのに......。


少し不審に感じながら、隣に座った人を見る。