「何か言ったらどうなの?
あなたがやらないなら、私がやるけど?」


 
リンレイが小刀を回しながら、一歩一歩近づいてくる。



「やめろ」 



ブレットが私の前に立ちはだかる。

ブレット......?



「前も言っただろ。
ミーナに手を出すなら、俺が相手になるって。

どちらかしか選べないなら、もういい。
アキを利用して、ミーナを傷つけなければいけないチームなんて捨ててやるよ」
 


最初にリンレイに襲われた時のように、リンレイから私を守ろうとしてくれるブレット。

前は言葉もよくわからなかったけど、今度ははっきりと何を言っているのか分かる。



「ヒーローになれなくても、お前だけは守ってみせる。

逃げろ、ミーナ」
  
 

ブレットは一瞬だけ私の方を見た後に、すぐにリンレイに向き合い、炎を燃やす。


全てを捨ててまで、私を守ってくれるの?

ブレットの背中を見ていたら、なんだか胸が苦しくなって、せっかく止まっていたはずの涙が、また目にいっぱいたまっていく。

できないよ、私だけ逃げるなんて......。