......ダメだ、私にはやっぱりできない。
ブレットと戦うなんて。

だって、ブレットは私の......。



「......いいよ。
殺したいなら、殺したらいいよ。

ブレットは御堂先生が間違ってると思うから、病気の人たちを助けたいと思うから、そうするんでしょ?」



その情報が正しいのか、正しくないのかは分からないけど。
ブレットがそれが正しいと思うのなら。


本当は怖い、怖くて足が震える。
死にたくない。

だけどそれ以上に、私にはブレットと戦うことも、彼を殺すこともできないよ。



「ブレットが私を助けてくれなければ、私は生きることができなかった。

だから、私の命も私も、全部ブレットのものだよ」



一番最初に助けてくれた時だけじゃない。

いつも私に生きる勇気をくれるのは、ブレットとそれから......、千明だった。


二人がいなければ、私はとっくに死んでいたかもしれない。