なんて言おうか迷っていると、千明が悲しそうに笑って言葉を続ける。



「あんなやつ、どうなったっていいはずなのにな。チームを裏切ってまで、助ける価値なんてないはずなのに。

だけど、それでも俺......。

あんなやつでもさ、たった一人の俺の家族なんだよ」



千明.......。 
どれだけ憎んでも、嫌っても、千明はお父さんを見捨てることはできなかったんだ......。 

 
戦いを有利にするためには必要なことだったのかもしれないけど、ひどいよ。

千明の思いまで利用するなんて。 



「そんな理由があったなら、今からでもみんなに話そう?
みんなに話せば、きっと何か良い方法を考えてくれる。

ちゃんと理由を話せば、みんなだって......」


「美菜、分かってるよな?
そんなこと無理だって。

どんな理由があったとしても、俺は仲間を裏切ったんだ。決して許されることじゃない」



千明の手をつかみ訴える私に、千明は静かに、けれどきっぱりと首を横に振って否定する。


無理だって分かってるよ、私だって。
だけど......。