しばらくその場にいると、浮かない顔をした千明が戻ってきた。



「どうしたの?
ケンカでもした?」


「いや......なんでもない。
それよりさ、美菜に頼みがあるから、ちょっとついてきてくれる?」



千明は私を安心させるように、にぱっと笑って、宇宙船の中に入っていく。


絶対、何でもないっていう顔じゃなかった。
ブレットといい、千明といい、どうしちゃったの?


そりゃ、いくら仲の良い二人でもたまにはケンカすることぐらいあるんだろうけど......。


何があったのか分からないけど、千明が何でもないって言ってるんだから、きっと大丈夫だよね?


ただのケンカだと自分を納得させてはみたものの、やっぱり完全には不安がぬぐいされないまま、千明の後を追う。


千明が向かった先は......。
地球との通信機や、色々な機械の置いてある部屋。

ここで、何の話があるんだろう。