分からないことばかりだけど、宇宙人がどこに住んでいるのか、他に月に住む生物、ウイルスをどこで作っているのか、調べなければいけないことは山ほどある。


他の宇宙船が到着する前に、私たちは三人一組に別れて、辺りの調査を始めることにした。

いざという時に、すぐに助けが呼べるように通信機を持って。


私は千明とアシュリーと一緒に。





「住んでそうな場所もないし、なんにもないなぁ。本当にいるのか~?」



しばらく歩いていても、木や植物しかないことに、千明がぼやく。

洞窟はいくつかあったけど、そこにも何もなかった。


千明の言う通り、宇宙人なんて住んでいなかったりして......。


そんなことを疑い始めた矢先。



「あっ!千明、アシュリー!
あそこ見て!」



少し離れたところにある透き通った水たまりから、水をすくって飲んでいる人影を見つけて、それを指差す。


人間とよく似ているけど、明らかに人間じゃない。


ネリのように背が高いけれど、男か女かも分からない中性的な容貌で、年はまだ若く見える。

肌は異様に白く、燃えるように赤い瞳、同じ色の腰まで伸びた髪。

それから、頭に二本の触覚のようなものがぴょこんとついていた。