ぬるい水を飲んだことで、ほんの少し渇きが満たされたけど、まだまだ足りない。

だって、熱中症になりそうな暑い夏でも感じたことのないくらいに、喉が渇いてる。


もう飲み物はなくなったし、どうしようか。
とりあえず、お菓子を食べようかとカバンを漁っていると、部屋のドアが静かに開いて。

看護師の白い制服を着た、黒人の美人なお姉さんが部屋の中に入ってきた。



「あら、目が覚めたのね。
気分はどう?」


「気分は......、頭が痛いです。
それからお腹が空いて......」



流暢な英語でフランクに話すお姉さんに、たどたどしい英語で答える私。

なぜか、ごく自然に入院患者みたいに扱われてる。



「そう、......やっぱり。
もう少し我慢できる?

今準備してるから、ちょっと待ってて」



やっぱり、って?
それに、何の準備をしてるの?


いや、それよりも。
私の体調の話よりも、もっと他に聞きたい話がある。