寂しそうな笑顔を浮かべる千明に、胸が痛くなる。



「悪いわけじゃないって分かっても、親父のことはいまだに苦手だけどな。

俺さ、わけわかんないウイルスで死ぬ人を一人でも減らしたいんだ。もう二度と、あんな思いはしたくない。

宇宙人とか領土争いとかウイルスとか、俺には難しいことは分からないからさ。
全部まとめてぶっ飛ばすことしか、俺にはできない」


「そっか......、千明はそのためにサイキックになったんだね。
ウイルスをなくすことが、千明の夢なんだね」


「いや?前も言ったじゃん。
俺の夢は世界中のかわいこちゃんとparty night することだって」



なんて、へらっと笑いながら千明は言うけど、本当は違うんだよね?

本当は、いつものチャラくて明るい千明の影に、真剣な想いで戦いに臨んでいたのを隠していたの?



「......私もウイルスがなくなればいいなと思う。戦うのは怖いけど......」


「心配しなくていいって!
全部俺にまかせろ!

なにせ俺はただ一人の人造サイキック、選ばれたヒーローだからな!」
 


人造、サイキック。

また戦隊ヒーローみたいなふざけたポーズをとった千明を見て、アメリカ女医の言っていたことを思い出す。


何か秘密とかあったりするのかな......。