「最後に解熱剤と栄養剤を渡しておく。
改良版だから、今までよりも効きはいいはずだ。

ただし、くれぐれも無理はしないように。
限界を超えて力を使いすぎた場合は、命の保障はできない」


「はい......」



死亡フラグのようなことをあっさりと言ってくれる御堂先生に、私は曖昧な返事しか返せない。


無理はするな、って無理しないで勝てるのなら、私だってそうしたいよ。

無理したら命の保障はしない、敵とは戦ってこい、ってそんな無責任な......。


でも、仕方ないか。
どっちみち、サイキックとして戦わなければ、私は手術してもらえずに死んでたんだ。


やるしか、ないんだ。  
気は重いけど、もう引き返すこともできないので前に進むしかない。


解熱剤と栄養剤を受け取ってから、ありがとうございましたと診療室を出ようとすると、待ちなさいとひき止められる。



「これだけは言っておくが、君の体には今分かる範囲では異常は見られない。
しかし実際には異常がなくても、病気だと思い込むことで、本当に病気になる心因性の病気も数多く存在する。

君は健康体だ、そう信じなさい。
自分で、自分を病気にしないでほしい」