地球を守って!恋するヒーロー

「そうなんだ......」



何を言ったらいいのか分からなくて、さっきから曖昧に相づちを返すことしかできない。


こんなとき、気の利いたことも言えない自分が本当に嫌になる。



「だけど、最近ヒーローって何なのか分からなくなるんだ。

本当に俺たちのやろうとしていることが正しいのか?俺たちと同じように月で普通に生きているだけの宇宙人もいるかもしれない。

分からないんだ......。
それでも俺は命令に従うことしかできない」



命令......。 

弟の望んでいたヒーローにはなれそうもない、と悲しそうに続けるブレット。


私たちが地球を守りたいと思うのと同じように、宇宙人も月での生活を守りたいと思っているのかもしれない。


アニメみたいにはっきりと、どっちが悪で正義だと決まっていたら良かった。

そうすれば、きっとこんなにもブレットが苦しまずにすんだのに。


 
「......あの時、ミーナがこんな俺でもヒーローだと言ってくれて嬉しかった。
......ありがとう」



少しだけ微笑んで、ブレットはそっと私の頬に触れた。

   
ブレット......。
なんだかぎゅっと胸をつかまれたみたいに苦しくて、張り裂けそうになるよ。