「隙あり!」


「......?うわっ!」



心ここにあらずの状態で、疑似生命体の相手をしていると、後ろから青白い光が私を襲う。


振り向いてもとっさに反応できず、口をあんぐりと開けていると、その青白い光を炎の弾丸が弾き返した。



「訓練中にふざけるな。
......ミーナも集中しろ」



ブレットに怒られても、柔らかく微笑んでいるのは元犯罪組織のリーダー、アシュリー。


......ブレットたちがトレーニングルームに入ってきたの、全く気づかなかった。

どれだけ集中してなかったんだろう、私。


助けてくれたブレットに無言でペコリと頭を下げる。



「じゃあ、こっちの能力はいい?」



アシュリーは私の頭を両手ではさみ、アメジスト色の目で私を見つめる。


最初こそみんな犯罪組織のメンバーを警戒していたけれど、アシュリーはいつのまにか研究所に馴染んでいた。


人の心をつかむ力でもあるのか、どんな組織でも人の上に立つ人間とは、何らかのカリスマ性があるのかもしれない。

悪い方向じゃなくて、これからは良い方向にそれを生かしてくれればいいのだけど。


それにしても天然なのか、たまにこういうことをサラッとやっちゃうのは困る。


能力を使っていないのはすぐに気づいたけど、アシュリーに見つめられて、どうすればいいのか分からず目をふせる。