いまいち納得できないまま、異常なしとの結果に医療室を出る。



「少し、いいかしら?」


「......はい?」



医療室から、自分の部屋にある宿舎に戻るため、階段をおりている途中で、声をかけられる。


振り向くと、さっき同じ部屋にいたアメリカのグラマー美人の女医だった。

ほとんど話したこともないのに、何の話があると言うんだろう。


一応聞く体勢に入ると、ボタンを胸元が見えるくらいに開け白衣をセクシーに着崩すグラマー女医が、一気に私との距離を詰める。



「さっそく本題に入るけど、あなたここのところ体の調子が悪いんじゃない?」


「どうしてそれを?」



ぐっと顔を近づけて小声で囁くように言われ、昔のアメリカの有名女優みたいな口元にあるホクロが目につく。


そんな彼女を警戒しながら、言葉を返す。


御堂先生とは日本語で話していたのだから、この人が会話の内容を理解しているはずない。

それに、体調のことは御堂先生にしか話してないのに、どうして彼女がそれを知っているのか不思議だった。