「アンタには関係ないだろ」


「千明......?」



リーダーに突っかかりながらも、いつもの軽い調子で話していたのに、千明は突然声色を変える。


千明どうしたの......?

自分の父親をアンタ呼ばわりしたことよりも、今まで聞いたこともないような冷たい声を出す千明に驚きが隠せない。



「私は所長で、千明はうちの研究所の一員なのだから、関係ないことはない。

彼は日本チームとも親交の深いケニアチームに所属することになる。
当然仲間として上手く必要がある、と言っているだけだ」



息子と話すというよりも部下に諭しているといった感じで、御堂先生はあくまでも冷静だ。


御堂先生らしいといえばらしいけど、なんだか冷たく感じる。

千明と御堂先生、あんまり仲良くないのかな。



「いちいち言われなくても分かってる!」


「ち、千明?」



千明は、声を荒げて医療室を出ていってしまったけど、それでも御堂先生はパソコンの画面から顔を上げない。