「どうして?」


「は?どうしてって当たり前だろ。
ネリの村を襲った犯罪者を信用できるわけない」



手をつかまれても動じることもなく、柔らかい笑みを浮かべたままの彼に、千明はしごく真っ当なことを言う。

そうそうとひそかに私も頷いた。



「それを言うなら、あのリンレイ?って子も犯罪者なんじゃないの?」


「リンレイ様は別!お前と一緒にするな!
ああ、でも、お前のとこの色っぽいオネーサンだけは仲間だって認めてもいい。

でも男はダメだ!」



......最低だ。
まともなこと言ってるなと思ったら、やっぱり千明だった。



「千明、彼は我々に協力することを誓ってくれた。
思うところはあるだろうが、仲良くやりなさい」



いつも通りの千明に呆れていると、御堂先生がパソコンから目も離さず、淡々とそう告げる。


うーん......、たしかに強い力を持ったサイキックは戦力になるのかもしれないけど、でもなぁ。

リンレイだけでも気が重いのに、犯罪組織のサイキックもって、危険人物が多すぎて気が休まらないよ。