「ブレット、後にしよう。
その子、よく分かってないみたいじゃん。

それより、こいつらどうする?もう動き出したみたいだけど。

俺がやっちゃっていい?」



......今、完全に自称ヒーローの存在忘れてた。
というか、スロー再生モードのムキムキ集団のことも。

自称ヒーローの発言でようやく今の危機的状況を思い出す。


集団は動き出したけれど、スロー再生モードになっていたことは気づいてないみたい。


私にナイフを向けていた男は、手の中にナイフがないことに気づくと、どこに落としたのかと探している。

そりゃ、私が跡形もなくナイフを握りつぶしただなんて、夢にも思わないよね。



「......ああ、アキに任せる」


「おっけ、任せろ!」



イケメンたちが作戦会議を終えたかと思えば、集団も黙って見ていたわけじゃないらしく、そのうち一人がなにやら物騒なものをイケメンたちに向ける。

目の前で見たのは初めてだけど、もしかして、......銃?


危ないと言う暇もなく、金髪のブレットと呼ばれていた彼に向けて、引き金は引かれた。