「そんなに警戒しないで。
これから仲間になるんだから、ね?」



穏やかに笑って、私の髪をなでる犯罪者。

そのアメジストの目に見つめられると、また心が奪われそうになる。

けど、彼はためらいもなく私を殺そうとした人。それにこどもたちを誘拐したり、強盗殺人とやりたい放題の極悪人なんだ。


ちょっと綺麗な顔してるからって、騙されない。彼の洗脳にひっかかたりしないんだから。



「......あんまり力使わないほうがいいんじゃない?」


「え?力使ってないよ?
使ってるように感じた?」



ウソ......、だって......。

キラキラとした独特の光を持つアメジストの目。
この目には力を使わなくても、心を奪う能力でもあるの?


とにかくこの人は危険だ。
態度が穏やかな分、こっちも強く出れないし。



「何で勝手に触ってんの?
美菜にちょっかいかけないでもらえるー?

アンタが何企んでるか知らないけど、俺は仲間だって認めたわけじゃないからな」



いつの間にか医療室に入ってきていた千明が、私の髪を触っていた犯罪者の元締めの手をつかむ。

そこまで強い口調ではないし、いつもの千明だけど。

仲間だって認められないのは、私も同意。