地球を守って!恋するヒーロー

情けない、悔しい。
一瞬でもひるんでしまった自分が情けなくて悔しくて、涙が出そうになる。

遊びでも試合でも何でもない、命の奪い合いの場にいずれは行かなければいけないことは分かっていたはずだったのに。


......泣いている場合じゃない。
血が出るくらいに強く、ぐっと唇を噛んで涙をこらえながら、必死で足を動かす。


スワヒリ語話せないけど、とにかく今できることをやらなくちゃ。
ネリの村を......、守らないと。


逃げちゃだめ、強くなるんだ。

自分に言い聞かせるように何度もその言葉を心の中で繰り返し、まだ残っている村人を探すために、民家をのぞく。


三軒目の民家をのぞいた時、薄汚れた布団とボロボロの食器しかない家の中に、まだ幼稚園児くらいの小さな男の子と女の子を見つけた。


けれど、見つけたのは男の子と女の子だけではなく。

その子たちを背にして、守るように剣を構える千明と、それから。


細かく三つ編みされた肩までのドレッドヘアーに、ぶあつい唇でガムをふくらませながらニヤニヤと笑う、手ぶらの男の人だった。