地球を守って!恋するヒーロー

「風だ。
何もないけれど、風だけは豊富にある」


「風?」



車の外はさっきから、枯れ草がバタバタと揺れ続けている。

確かに風は強いみたいだけど......。



「俺はここに風力発電所を作りたい。
発電所を作れば、村にも仕事ができる。
 
そのためには資金がいるんだ。
こんな辺境の地に興味を持つ投資家は少ない。
発電所を作る案は今までもあったが、資金がなければどうにもならないんだ」


「......発電所を作るために、ネリは戦ってるんだね」


「そうだ。
発電所を作ったところで、村人を教育するシステムや、周辺への理解も必要だし問題は山積みだ。

それでも、まずはたったひとつの希望を次の世代に繋げたいんだ」



この村が本当の意味で貧しさから抜け出すまで、それは一体何年かかるんだろう。

何年、何十年、もしかしたらもっと時間が必要なのかもしれない。

発電所を作ったら、全て解決じゃないんだ。


それでも、前だけを向いて話すネリの願いが、いつか叶えばいいのに。

叶って、ほしい。