地球を守って!恋するヒーロー

普通に話してはいるけれど、血が出そうなくらいにぎゅっと拳を握りこむネリ。


いつもとは違うネリの様子に痛いほどに彼の気持ちが伝わってくる。

その苦しみが伝染するようで、私も胸が痛くなってきた。



「こんなところで、村の未来を壊すわけにはいかないんだ。
そのために、俺は戦っているのだから」


「うん......。
ネリは月から帰ってお金もらったら、村に寄付するの?」



私と話しているというのに、遠い遠いどこかを見るように話すネリ。
まるで未来を見ているかのように。


その時、今まで熟睡していた千明があくびをしてから目を開けた。

けれど、すぐにまた目を閉じたので、私たちは千明に構わず話を続ける。



「村には、金も、作物が育つ肥えた土地も、仕事もない。
水も、電気さえもない。

けれど、この村にはたったひとつの希望があるんだ」



たったひとつの希望?
何だろうと、黙ってネリの言葉の続きを待つ。