次の日、朝早くからドアをやや乱暴にノックする音で目が覚める。



「ミナ、起きてるか?」



半分寝ぼけたままスウェットでドアを開けると、なぜか固い表情のネリ。



「どうしたの?」


「出動命令が出された。
戦闘になるかもしれない」


「へ?戦闘って......?」



戦闘っていつもの疑似生命体との訓練じゃなくて?
どこに出動するだろう。


寝起きでボーッとして理解してない私に対して、ネリは焦ったようにいつもより早口で告げる。



「時間がない。
車の中で説明する。
十分後に駐車場に集合だ」


「わ、わかった!」



なんだか分からないけど、緊急事態みたいだ。


私は急いで顔だけ洗って、研究所支給のパワー増強効果があるらしい黒いウェットスーツのようなものを着る。

その上からトレーナーと動きやすい綿パンを履いて、肩までの髪を無理やりポニーテールにしてから、駐車場へと走った。