信用し過ぎてもいけないし、かといって敵意をむき出しにし過ぎても上手くやっていけない。

この世界を生き抜くには、相手に手の内を全て見せずに常に切り札を用意しておくのが賢い方法なのかな......。



「あぁー、もう!
わっかんねー!」


「ちょ、どうしたの!?」



壁に立てかけてあった何とか神剣をとり、ピリピリとした空気を切り裂くように、突然素振りを始めた千明。

ついに壊れた!?
  


「ここでゴチャゴチャ言ってたところで、何か変わるのか!?
俺たち政治家でも、えらい人でもないし!
必要以上にギスギスしてても、なんも良いことない!

俺たちは俺たちに今できることをやるしかない。そうだろ?
美菜は能力のコントロール、ネリはより強くなることと勉強、俺はLet'sナンパだ!」


「千明......」



ビシッと剣を天に向けて、千明はトレーニングルーム中に響きわたるほどの大声を出す。


最後のは余計だったけど、でもなんだか毒気を抜かれたみたい。

だってほら、さっきまでのピリピリとした空気が嘘みたいに無くなってる。