「俺の親父と、アメリカの金髪グラマー美女のおねーさま方が仲悪いってだけだろー?
それにさ、なんだかんだ言いながらもあの人たち協力してんじゃん。

アメリカと日本は国際的にはむしろ友好的な関係なんだし、そんなに心配することか?」


「友好的なのは、利害関係が一致するうちだけだ。表面的には良く見えても、それで安心なわけじゃない。

右手で握手をしながら、左手に剣を隠し持つのが、外交や戦略的関係の基本だ」


「私もネリに賛成、かな。
今は一時的に良くても、あの人たち信用できないし......」


右手で握手をしながら、左手で剣を隠し持つ。
これには私も、ネリに同意せざるを得なかった。


外交とか戦略的関係とか、勉強家のネリのようには私は難しいことは分からないけど、まさに今の研究所がそんな状態に思える。


それぞれ野心や欲望はあっても、それをむき出しにはできない。

だから、表面は友好的に保っていても、何かあればいつでも牙を剥けるように剣を隠し持つ。


まあ剣を隠し持つどころか、堂々と剣を持って右手で殴りかかりながらも仲良くしよう、なんていう、ルール丸無視の人もたまにいるわけだけど。