すごい勢いのここは危険だアピールを黙って聞いていたら、最後の一言を聞いて、結局は自慢したいだけかと気づいた。


ヒーローの体型を見ても、ヒョロヒョロってわけでもないけど、ムキムキなわけでもない。
そんなに強そうには見えないけど......。



「正義のヒーローだもん、強くないとね?
弱かったら、役に立たないし」


「そうそう!
というわけで、遠慮なく頼ってよ!
レディのピンチにはいつでも駆け付けるからさ」



嫌味にも気付かず、またキラキラ笑顔を向けるイケメン。

かっこいいけど、やっぱり言動がいちいちチャラいし信用できない。



「......困ったらお願いね。
じゃあ、そろそろ今日泊まるところを探しに行くから」



ここで、イケメンのチャラくて怪しいうそつき話を聞いてるのも、けっこう面白かった。

だけど、この人の言うように本当に治安も悪いんだろうし、暗くなる前にホテルを探しておきたい。


ちょうどシチューも食べ終わったところだし、店の人にお金を払ってから出ようとすると、イケメンに引き止められる。