決して見られたくない、恥ずかしい部分を悟られてしまったようで落ち着かない。
 お尻の据わりの悪い思いでモゾモゾしている私に、晃さんは明るく告げた。

「聡美さんって、ものすごくのめり込んだり、一気に深刻に凹んだりするよね」
「そ、そうですか?」
「うん。とても楽しそうだと思えば、次の瞬間は悶絶したりするし、遊色効果みたいに次々と変化して楽しいよ。ずっと聡美さんを見ていたいと思うくらい」


 私は伏せていた視線を上げた。ずっと見ていたい?
 またもや反射的に言葉の真意を探ろうとする私の目に、晃さんの表情が映る。
 彼はいつもと変わらない爽やかな笑顔で、でも、瞳の奥に恥ずかしそうな色を湛えていた。

「聡美さんってすごく興味を惹かれるんだ。俺はキミを……」

 一瞬だけ彼は視線を逸らし、そして思い切ったように言葉を続けた。

「キミを俺の20倍鑑定ルーペのピンポイントで覗き込んでみたいと思っている!」

 彼がひと息でそう言いきったあと、私たちの間にシーンと静寂が流れたのは、しかたがないと思う。
 だって……え? なんだって? 鑑定用ルーペがどうしたって?
 そもそも、なんでここで出てくる? 鑑定用ルーペの存在が。