【完結】ホイクメン!

「あっ、それ!」




懐かしいパッケージ。


学生時代、見つける度に買い食いしていたそれは、最近あまり見かけなくなったものだった。




「ねぇ、どこで買ったの?

札幌じゃあまり見かけないんだよね、それ。」




薄黄色い牛皮に包まれた甘いもの。


いつからか口にしなくなったが、昔はこれが大好きで・・・。




「プリン大福。

小樽市内のスーパーではまだたまに売ってるみたいだ。

姉ちゃんもこれが大好きでさ。

優香と同じで、どこかで見つける度買い食いしてたよ。」




准一のその言葉に納得するように頷く信明。




黄色く丸い大福は、准一の掌の中にすっぽりと収められている。


大福の入った拳を振り、准一は自分の姉の好物だったそれを海に向かって勢いよく投げた。