「い、いやぁぁぁあ!!!」 私が悲鳴をあげると同時に、翔子が立ち向かっていた。 「その剣、偽物っぽいんですけど――!」 翔子は咄嗟に、川合の手首を掴み、抵抗するのもお構い無しに、 そのままぐりんと背中の辺りまで腕を回した。 要するに、これが脱臼とかいうやつだろう。 なにやら声かどうかも分からない悲鳴が聞こえるが、 翔子は潤いの無い瞳で、こっちを向いた。 「こいつの剣取っといてよ。」 「う、う゛ん」