今日はクリスマス。


前々から編んでいたマフラーを手に待ち合わせ場所へと向かう私。


「愛美の全部を俺にくれないか?」


大智がそう言った時はどんなに嬉しかったか。


例え気持ちがなくても私は貴方に全部を捧げようと思った。


待ち合わせ時間から何時間たっても大智は来ない。


「…遅いよう」


どのくらい待っただろうか?


あたりは暗く周りの恋人達がツリーに見入っている。


いくら電話しても繋がらなくて…


最後の電話。


やっと貴方は出てくれました。


それと同時に…


「…珠江が事故にあって病院にいる」


…と貴方は言いました。