『それに、我がはなせるのは神獣だからじゃ』


「しんじゅ?」


『ばかもん、神獣じゃ
神の獣とかいて神獣。』


「神様の獣?」


『いかにも、こちらの世界では
妖といわれておる。』


「あや、かし...」


いつもの私なら 笑いのけるところを
目の前で 絹のような毛をまとった猫が
口を動かしてはなしているのだから
信じないわけにもいかない。