君には敵わない



 私も席について、次の授業の教科書を机から取り出す。

 …確かに、翼はイケメンかもしれない。

 目は標準に大きいし、二重だし、まつ毛も長いし、
鼻も高い。綺麗な黒髪に、高い身長……。

 どれも、これもパーフェクト!!!

 そりゃあ、女子が私を睨むわけだ…。

 翼なんか好きになりません~、
とか、宣戦布告だしたいよ…。

 うーん、性格は…良い奴なのかな。
 いや、良い奴なわけがない!

 寝顔の写真撮られたり、
 ちょっかいだしにきたり!

 ただのムカつくやつだよっ、あんな奴っ!


 「はい、橋川 綾乃さん、ここの問題の答えわかるかしら?」

 「え…っと~」

 やばい、こんな公式しらないよ!
 先生が来ていたっていうこともわかんなかったのに!!


 わからないですって言おうかな…

 でも、この私じゃ内申点下がっちゃうよ~!

 そんなかんだを、考えていると

 翼がこっちを向いて、何かを言っていた。

 ”12X”?

 ニヤッと、口パクで翼はこう言っていた。

 う~ん、信じてみよっかなあ、

 「12X…?」

 「はい、正解ですよ」