「齋藤さん、今日はお世話になります。よろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくお願いします。三国さん、いいものにしましょう!」

「はいっ!」


今日はついに展示会だ。


あれから・・・カナさんからまさかの告白を受けてから一週間、
私は何も考えないようにひたすら仕事に打ち込んだ。
ほんの少しでもあのことを考えてしまったら、もう無限ループのように過去と現在が交錯して止まらなくなってしまう。
もしもあの時・・・、もしかしてあの時・・・、
考えても仕方がないことが次々に思い起こされてしまう。

だから無理矢理思考から排除した。
今は大事な大事な時期なのだ。
これまで頑張ってきたことを過去が原因で無駄にはできない。

並々ならぬ気合いを入れて私はこの日を迎えていた。


「涼子さん、必ず成功させましょうね!」

「・・・うん!頑張ろう。中村君もよろしくね」

「はいっ!」

やる気満々の中村君の様子にこちらまで燃え上がってくる。