ふと、

俺の目の前に座っていた子と
目が合った。


そういえば、
この子もあんまり乗り気ではないようだ。

俺と同じように端の席で存在をなるべく消すようにして過ごしている。


あんまりアルコールに強くないないようで、
それなのに友達から回されてきたチューハイを真面目に飲んでたから

顔はもう真っ赤だった。




そんな中、
いかにも無愛想そうな俺と目が合ってしまい

あわあわと焦って更に顔を赤くしている。



小柄だけど、しゃんとしたその子。


俺のストックしていた烏龍茶と
彼女が持っていたチューハイを交換させた。



「弱いんだろ?」


そう言ってやると、

今までちょっと緊張で強張ってた顔が
ぽよんと緩んで


「あ、ありがとうございます」



なんて言って、

彼女はびっくりするくらい暖かく微笑んだ。