「ごめん…なさい…」


聞けば、
昨日仕事から帰って来た頃にはもう体調が悪く、

にもかかわらず
なにも食べず連絡もせず過ごしたらしい。


普段なら、こてんぱんに怒ってやるとこ。


だけど、

今は奈々が無事だったことが何よりで。



はー。

ってため息を着いたら

奈々は怯えた顔をしたけど、


「とにかく、

奈々が無事だったんだからいいよ」



そう言って

優しく、
濡れて顔に張り付いた奈々の横髪を耳にかけてやると


途端に奈々の大きな瞳は潤んで


「…ふ、ふぇぇぇ…」


まぁ泣き出したのは言うまででもない。



「はいはい。

泣くなって」


泣き止まない奈々をなんとかなだめて

一旦落ち着いたところで
奈々を病院へ連れて行った。



ーーーーーーーーーー


「…っくしゅっ」


そのあと俺が風邪を引いたのは

それもまた言うまでもない。