はー。


一息ついて、
一旦風呂の栓を抜き
また新しい冷たい水を溜める。


意識が戻ったからといって、
まだ安心はできない。


水をため直して、
しばらく奈々も自分も落ち着かせた。


奈々にさっき薄めたスポーツドリンクを飲ませてやる。


「…ちょっと、気持ち悪い…」

そうやって奈々は
俺の濡れてひたひたになったシャツをキュッと握って

一度断ったが、


「ばか、吐いても良いから飲め」


少しずつ、少しずつ無理やり飲ませた。


今になってガンガンに冷えた俺の体は震え始める。

奈々は上がりなよって言ったけど

こいつ支えてなきゃ絶対沈む。


「いいんだよ俺は、

奈々は寒くない?」


奈々は
うん、大丈夫。と頷いた奈々は

そこでしゅんとした顔をした。