シャワーの水で冷やして数分、

風呂にはだいぶ水が溜まって

奈々の体温もだいぶ下がってきた。


置いておいたタオルで
一旦、水が飛んで濡れた奈々の顔を拭いてやる。

その時、



「んっ…」


「!」


奈々が顔をしかめピクリと動いた。

「…奈々?奈々!」


意識がまた遠ざからないように、

肩を叩いて必死に奈々の名前を呼ぶ。


「奈々!奈々!

…なな!!!!」



「…んんっ…、

…だ、いす…けくん、?」



薄っすら目を開けた奈々。


何かが俺の中で湧き上がって来た。

同時に、緊張してせり上がっていたものは次第に落ち着いてきた。


「奈々…。」