「…っ、?!
…、奈々?!」
奈々の姿は、
奥の寝室ではなく
リビングのソファとテーブルの間にあった。
「奈々?!」
急いで奈々に駆け寄り
ぐったりしたその体を抱きかかえる。
「あっつ…、」
奈々の体は火照るように暑かった。
「奈々!」
首筋に手を当て、脈を測る。
弱ってはいるが、脈はしっかり打っている。
しかし奈々の顔は真っ赤で、
未だに目を開こうとしない。
意識のないこのままでは、
水分を取らせることもできない。
この室温、
奈々の状態、
これらから判断して、
奈々は重度の熱中症にあると俺は判断した。
「奈々!しっかりしろ!
…奈々!」
