「奈々、…奈々」

そっと頬に触れて声を掛けると

奈々はうっすらと目を開けた。


確かに、顔色が悪い。


そっと首筋に触れて脈を測る。



朝ご飯は…食べていっていたし、
適度に休憩もとっていたはずだ。


「奈々。」

「だ、いすけくん…」


「奈々、ちゃんと昨日寝たのか?
今日早かったろ?ちょっと貧血も起こしてるみたいだけど。」



奈々は、しゅんとした子犬のような表情で俺を見上げた。


「そんな顔したってなぁ。

寝てないんだろ?」


「…ちょっと寝た…」


はー。とため息をつく。

ほんと、自分の体の無理を知らないんだこいつは。


でも、会話はできるし、
意識もはっきりしてきたから

ひとまず安心。



奈々はそのまま俺が車で連れて帰ることにした。