「奈々?」

近づいてみると、
やはりベンチでぐったりしていたのは奈々だった。


「あっ、大輔さん!」

浜崎が泣きそうな顔で言った。

「お昼過ぎたあたりからなんか顔色悪そうで…。

でも大丈夫って言い張るし…

ごめんなさい」


「私も目が行き届いてなくて…

申し訳ありません。

旦那様…でいらっしゃいますか?」



チーフの女性も浜崎もだいぶ動揺していた。


「ええ、迷惑をおかけしました。

少し、見ますね」


浜崎は俺が医者であることを知っている。

それもあって、連絡してきてくれたのだろう。


俺はそっと奈々の様子を伺った。