「あ、来てくれたんだぁ…♡」

「………」

「燐くんって本当にカッコいいよね♪…オマケにクールだしぃ??それに…」

良いからさっさと終わらせろ…

俺がうんざりした顔をしているのを知ってか知らずか、女は「燐くん」がどれだけカッコいい人間かを語り続ける

………いい加減にしろよクソ女

「あ、しかもぉ??燐くんって頭もい」

「ウザい」

「……え??」

めんどくさくなった俺は女の言葉を遮った

「聞こえなかったの?ウザいって言ってんの」

女はボーゼンとしている

「じゃ、俺もう行くから」

さっきはとりあえず従っとこうかと思ったが、もぅいいやめんどくさい

「え…ちょ、ちょっと待ってよ」

女は困惑した顔で俺の制服の裾を掴んできた

俺は迷わずその手を振り払う

振り向きざまに1言、女に一番効果的であろう言葉を投げかける

「俺さぁ…アンタみたいな女、大ッ嫌い」

「っっ!!」

女は苦虫を噛み潰した様な顔をした

…ようやく自分のお色気作戦が通じてない事に気付いたらしい

自意識過剰もここまで来ると滑稽だな

「………っ」

女は俯いてしまった

このままここに居ると更にめんどくさい事になってしまいそうなので、俺は教室に帰る事にした

…あーあ、つまんねぇ事に時間使っちゃった