キミのとなり。

俺は、鈴音が起きてしまわぬようにその落ちた封筒を持ち静かに部屋をあとにした。

そしてとなりにある、自分の家に戻り部屋でその封筒の中身を確認した。

封筒には、

Dear 蓮人
From 高崎 鈴音


蓮人へ

公園で事故があったあの日から私は耳が聴こえなくなった。
そのときに蓮人言ってくれたよね。
"ぼくがりんちゃんのみみになってあげるよ!"
まだぎこちない手話で私に必死で伝えてくれたよね?
蓮人は、
「この俺だからな、手話なんて簡単だよ!」
とか言ってたけど、私知ってるよ。
蓮人が毎日練習してたの。
私の部屋から蓮人の部屋丸見えだもん。

私の元気がないときはいつも1番に気づいてくれて、
私の体調がよくなかったときだって蓮人言ってくれたよね1番に気づいてくれた。
落ち込んでるときは、いつもそばで励ましてくれたし、
泣いてるときはずっとそばで背中さすってくれたよね。
私、蓮人のそういうとこスキだよ。
口はちょっと悪いけど、
その分優しくて
他の誰よりも気が利いて
人一倍正義感が強くて。

でも、もうつかれたでしょ?
登下校はいつも私と一緒。
学校の休み時間だって普通の子と話せない私にいつも気を使って話しかけてきてくれる。
そんな学校生活送ってたせいで彼女もいなければ、好きな人もいない。
私のことはもういいから、
蓮人、自分の人生歩んでよ。
自分の好きなことして。
いつも私中心の生活。
もうウンザリでしょ?

耳...聴こえなくたって...きて行けるよ。
体が...るし、目だ...てある。
これ......は1人で頑...るからさ...

ば...ばい蓮人。
自分の人生あ...んで...

高崎 鈴...



最後の方は鈴音が書いてるときに落とした涙と自分の涙でもうグチャグチャだった。

「そんな小さいこと心配してんじゃねーよ。」

そう小さく呟いた言葉は儚く消えた。