ついに来た、楽しみだった花火大会の日。

私の憧れだった。

浴衣を着て、彼氏と花火を見に行くこと。



そう言えば、旬さんはどんな服装で来るのかな?


待ち合わせ場所に行く。

「また早く着いちゃった…。」

キョロキョロと周りを見渡す。

まだかな。



ーポン



ん??


後ろからだ。


と、顔を上げ、後ろの方を見る。



「あ!」

「そこにいてたのに気付かれてなかったとは。」

それは、他の誰でもない。
旬さんだった。


「え、すいません!気付きませんでし…た…。」

と旬さんのいる後ろ側に体の向きを変えると…


「浴衣…。」

旬さんも浴衣だった。

それが似合いすぎて。

「花火大会と言えば、浴衣でしょ。」
と、得意気に言っちゃうところが旬さんらしい。

「浴衣…似合ってるじゃん。」

「あ、ありがとうございます…。」

思わず赤面。


「じゃあ、行こっか。」

「はい!」