その言葉を聞くと、私の体から血の気がひいていくのが分かった。






(き、聞いちゃってるよ。バッチリ聞いちゃってるよ)






しかも洸ちゃんが誤解している事に焦りながら、私は急いで椅子から立ち上がると洸ちゃんに向かって話し掛ける。






「洸ちゃん! 違うの! 待って!!」







だけど洸ちゃんは二度とこっちを向かず、そのままだんだんと遠ざかっていく。






その光景を同時に鳴ったチャイムの音を聞きながら見つめるしかなかった。







(何でこうなるの……)







「なんか、ごめんな。橘……」







隣では玉川君が申し訳なさそうに謝っていた。