何で相沢さんが怒ってるのか、思い当たる理由が無いし……。





「深瀬のことは名前で呼んで、私のことは何でまだ名字呼びなわけ?」





相沢さんが続けて言った言葉を聞くと、すぐに理解出来たけど。





「あ……相沢さん、それで怒ってたの? 」

「 それでって何なのさ! 仲良くなってからもう一年以上経ってんのに、名前で呼んでくれないって、私のことどう思ってんのよ!」

「どう思ってるって……そりゃ……親友だけど」






(何でこんなに照れ臭いんだろう……)




シャツの胸ぐらを掴まれて激しく揺さぶられながら、私はごにょごにょと呟く。






「何ほっぺ赤くしてんだ! 照れてんじゃねーよ! 名前で呼べよ!」





照れてるのばれてるし、もっと揺さぶられたけど、






「優希ちゃん……」






名前で呼ぶと、途端に相沢さんからガバッと抱きしめられた。