私の彼氏はおデブさん

その消しゴムを軽く握ると、私は顔を見ないまま言った。





「ありがとう」





そして立ち上がると、そのまま自分の席に戻ろうとしたけど。


手を握られて、ピタッと立ち止まった。







「橘。俺と付き合ってくれるんでしょ?なのに何かよそよそしくない?」






私の手を握ったまま自分の席に座って、玉川君は続ける。





「ねぇ、こっち見てよ」





(うう……嫌だなぁ、こういう雰囲気……)




渋々と顔を上げるとまだ笑っている玉川君と目が合い、すぐに顔がかあっと熱くなった。




何故なら……私の手の甲に玉川君が唇を落としたから。





「俺、優希と別れたよ」