寮は校舎の裏の方にある。
校舎裏に桜の並木道があり、そこをずっと歩いていくと寮がある。
「わ~すっごい楽しみ~」
私の隣ではしゃぐえみり。
「私も!どんな部屋なんだろ~」
そういえば、みよちゃんに挨拶に行ったときに寮の部屋になんたらこんたら言ってたな…なんだっけ?
まあ、いいか!行けば分かるし。
えみりとしばらく歩いていると目の前に洋風の立派な建物が見えてきた。
「あれが寮?」
えみりの顔が驚きの顔に変わる。
「そうみたいだよ?だってほら、下校の生徒達が次々と入って行くよ?」
指を指しながらそう言うと「ええ~ヤバい!凄い!!」とテンションMAXになっていた。
寮の中に入るとロビーがあり受付嬢に部屋の鍵を渡され私達の部屋は4階なのでエレベーターで上がった。
「ヤバいね妃奈!なんだか修学旅行に来てるみたいだよ~」
「だね~♪わくわくしてきた!」
4階に上がると私達の部屋を見つけた。
「…ここか」
「じゃあ妃奈、これから学校生活enjoyしてこうね!じゃあまた月曜日!」
「うん!これからよろしく、じゃあまたね!」
えみりと別れ、部屋に入る。
「……!?」
あまりの驚きのあまり、声がでなかった。
うわ…これ…本当にヤバいね…
独り暮らしには広すぎるリビング…ダイニングキッチン、
お風呂に寝室…どれも凄く広くて豪華…
しかも玄関広すぎだし…まあ一般庶民の私にとっては広くてもお金持ちの子にとっては普通かもね…
家から運んできた荷物はリビングに置いてあり私の知らない物がいくつか置いてあった。
あ、もしかしてみよちゃんが言ってたのってこれのことかな?
テーブルや椅子や机に棚、ソファー、ベッドなどの家具類、ばかでかい液晶テレビや冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジなど用意してくれたみたい。
それだけ置いてあっても十分広すぎる部屋。
さすがみよちゃんお金持ち~と言いたくなる。
後で本人に言って…あげないことにしよう。
そんなことより感謝の言葉を言ってあげないとな。
月曜日みよちゃんに会えたら言おう。
これでもみよちゃん忙しいからな。
荷物の整理を始める。
段ボールから服、教科書、勉強道具、洗面用具、メイク道具など趣味の物まで出して整理整頓した。
足りない物があるので買い物に行こう。
ちょうど明日は休みだし学校の敷地の隣にあるデパートに行くことにした。
夕食を作り食べ終え、お母さんにメールを打つ。
『お母さん、今日は友達が4人できたよ!でね、今寮にいるんだけどすっごいよ!!部屋広すぎだし家具とか電化製品とか全て揃ってるの!これはみよちゃんに感謝だよね!!私、ここで頑張るね!じゃあまた後で!!』
よし、とお母さんにメールをしたあとお風呂に入った。
髪をタオルで乾かしているとチャラリ~ンと音がしてスマホを持った。
「あ、お母さんから返信きた」
そこには『あら良かったじゃない!みよりんにもあたしから言っておくわ。それと頑張ってね!お母さんいつでも妃奈の味方だから』と書いてあった。
ありがとう…お母さん。
画像も添付してあったので見てみるとるると一緒に写っているお母さん。
私、頑張るからね…そう呟くと眠気が襲ってきたので早めに寝ることにした。