「…うん。」

嬉しかった。

こんな風に言ってくれる人、今までいなかった。

出会ったことのない人種。

それは、私の心を軽くこじ開けようとして来る。

「俺はずっと愛の側にいる。」

そう言った弘樹。

その顔は真剣そのもので、思わず見入ってしまう。

「…ありがと。」

恥ずかしくなって、少し遅れてお礼を言う。

顔は熱くて、多分赤くなってる。

なんなんだろう、この気持ち。

今まで体験したことのない気持ち。

この気持ちの名前を私はまだ知らない。

これも分かる時が来るのだろうか?

弘樹が教えてくれるのだろうか?

それが分かるのは、きっともっと先…。