いいな…。

素直にそう思った。

夢中になれるもの。

私にはないものだった。

小学校の時は、まぁそれなりに読書とか好きだったけど、それはただと気まぐれ。

すごく好きで、キラキラできるものなんて、私は持ち合わせていない。

だから、羨ましい。

「…私もそんな風にできるかな?」

思わず声が出てた。

弘樹は一瞬ポカーンとしてたけど、すぐに笑顔になって、

「愛、俺と一緒に見つけようか?」

優しい、テノールボイスでそう言った。

「見つけるって…?」

「これからお前に残された時間を使って
、俺と一緒に探そう。」

「…。」

「生きる意味。お前がまだ知らないことだろ?」

なんで分かるんだろう。

こいつはなんで私の心を見透かすの?